コンサルタントの必須スキル「スライドライティング」の基本

仕事術

スライドライティングは、議事録と同様にコンサルタントの最も重要なスキルの1つです。
どれだけ論理的なことを考えても、それを伝える手段が稚拙であれば誤った伝わり方をすることがあります。
今後スライドライティングの基本ルールを連載していきますが、本記事では最も基本となるスライドの構成について記載ています。

スライドはタイトル・メッセージ・ボディで構成される

スライドの大まかな構成要素は、タイトル部分・メッセージ部分とボディ部分です。
基本的にタイトル部分はスライドの左上に「何について記載したスライドか?を示し、メッセージはタイトルの下に記載してそのスライドで一番言いたいことを記載し、ボディ部分はメッセージを補足するための説明部分です。

コンサルタントを目指す皆さんからしたら「タイトル・メッセージ・ボディ」の構成は当たり前のことかもしれません。しかし世間一般的には、会議の資料にメッセージが書いてあることはまれで、書いていることはわかるけれど、一体何が言いたいのだろうというスライドが散見されます。
ボディ部分でいえば、ボディがプレゼンテーションではなく、文字だけの資料になっているスライドが出てくることがあります。ボディ部分はメッセージを補足するための部分とは言いましたが、言葉で説明するに留まるのであればWordやExcelで代替できるため、PowerPointを使用する必要がありません。
グラフやオブジェクトを使うことにより伝えたいことを構造的に、視覚化して伝えることが求められます。

タイトルの書き方

タイトルとは、そのスライドが何について記載されているのかを端的に示す部分です。
一目で読み取れるくらいの視認性の長さにとどめることが得策です。
また、資料の構成が複雑で、タイトルだけではどの部分を話しているか迷子になりそうなときは、図を使って「今どの部分について話しているか?」をスライドの右上部分に記号的に記載することは、よく利用されるテクニックです。

メッセージの書き方

メッセージの原則は、1スライド1メッセージです。
前述のとおり、メッセージ部分には一番言いたいことを記載します。
もし「あれもこれも伝えたい!」ということであれば、スライドは複数枚に分割しましょう。
1枚のスライドに複数のメッセージが混在していると、①言っていることが複雑で理解できない②理解できたとしても、結局何を主張したいことなのかが分からない、などのデメリットがあります。
自分でスライドを作っていると、どうしても自分が分かっているから相手も分かるというバイアスがかかってしまいますが、知識レベルは人によって異なるため、出来る限りシンプルに、1スライド1メッセージを心がけましょう。

ボディ部分の書き方

ボディ部分では、メッセージを構造化/視覚化して伝える重要な部分です。
①構造化
メッセージとボディがきちんとピラミッドストラクチャーになっているかを確認します。
「ボディで書いていることがメッセージで書いているか?」「メッセージで書いてあることがボディで表現されているか?」ということは、常に確認しておきましょう。
メッセージとボディの構造化がしっかりとできていないと、何が言いたいのかが分からないスライドになりかねません。
②視覚化
メッセージ部分を伝える部分ですが、ただ正しいことを数字や文字で書いてあるだけでははボディ部分を有効に使えていません。そのような資料であれば、前述のようにWordやExcelで事足ります。
せっかくPowerPointを利用するのであれば、より鮮明に・すぐにわかるように視覚化する必要があります。
文字で書いてある内容を整理してオブジェクトを利用し構造的に示す、数値で表すことのできるものであれば表ではなくグラフを利用すると、より分かりやすいです。

また、ボディ部分でデータを利用しているにもかかわらず忘れられがちなのが、出所・脚注です。
本誌ではシンプル化するために構成要素は「タイトル・メッセージ・ボディ」としましたが、PowerPointについての本やサイトを見ていると、それらと並列に語られていることも多いくらい、出所・脚注は重要です。
出所とは、ボディ部分のところでグラフ等を使って表現するのは大事なことですが、そのデータはどこから取得したか?ということを示すものです。
例えば労働力の調査をするために総務省の国勢調査を基にデータを作成した場合、
出所:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)11月分」
のようにスライドの左下に記載します。
脚注とは、用語の解説や補足説明などをするものです。例えば、グラフに記載されている単語が誰でもわかるような単語でない場合にその説明をするものです。
出所と同様にスライドの左下に記載します。

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